太巻き寿司

外国で一番ポピュラーな日本食といえば、「寿司」です!
何は知らなくても、皆さん寿司はご存知!
でも、ちょっと誤解されてるときもあるけど…

寿司を作ってあげる!というと、
よく困った表情で、「私、生魚食べられないの」って言われます。
「いや、生で食べられる魚がここに売っているとは思えないから、生魚は使わないよ」と言うと、
「え、寿司って生魚のことじゃないの?」って返されたりします。
…それって刺身じゃない?
だから、寿司といってもいろんな種類があって、
皆さんがイメージする握り寿司は生魚が多いけど、
生魚を使わない寿司もたくさんあるのよー、って説明します。

他にもよくあるのは、
「昔レストランで食べたけど美味しくなかったから好きじゃない」という反応。
話を聞いていると、どうやら、和食ブームにのったヨーロッパ各地のレストランの寿司もどきを食べたらしい。
聞いた話によると、生臭い具が入っているとか、酢飯を使っていないとか。
それで、もう寿司はこりごりってなってしまっているらしいです。
でも、敬意を払ってくれて一口食べると、「何これ、すごく美味しい!前に食べたのはなんだったの?」ってなったり、
そんな経験を既にした友人一同が「全然違うから食べてみなよ」と半ば強引に進めて食べたら、「これが寿司なの?美味しいじゃない」ってなったり。
それ以来、ちゃんとした寿司の作り方を覚えて、定期的に寿司を自分で作っている友人も何人かいます。
正しい知識って大事。

ちなみに、チョコちゃんと一緒に住んでいたときは、作る寿司は、手巻き寿司がメインで、
お客さんにも、自分で作る楽しみを!ということで、手巻き寿司をよく作っていましたが、
私は太巻き寿司の方をよく作ります。
先日も、久しぶりに太巻き寿司を作ったので、
定番化してきた、「ブルガリアでも手に入る食材で作る太巻き寿司」をご紹介します。

まず、私が使う食材はこちら。

  • ‐海苔(まだ日本から持ってきた分があるけど、こっちのスーパーにも韓国産の海苔が売っています。ひらがなで「のり」って書いてあるけど)
  • -米(普通にスーパーで売っている中から、形が日本の米に近いのを選びます)
  • -シイタケ(干瓢のかわりにします。スーパーには売ってないけど、首都ソフィアの日本食材店とか中華食材店には売っているので)
  • -カニカマ?(「Surimi」(すり身?)という商品名で売っている、見た目は完全にカニカマだけど、触感は変な食材)
  • -ツナ(缶詰)
  • -玉子(だし巻き玉子に)
  • -キュウリ

シイタケとカニカマもどきは、だいたい前日に煮ておきます。
シイタケは、干瓢のつもりで。(以前はシイタケなしで作っていましたが、一度、日本から持ってきた干瓢を入れて作ったら、すごく美味しくなったので、どうしてもこの味を入れたくて。でもこっちには干瓢がない!ということでシイタケで代用してみました。そしたら、代用品として意外にすごくいけるということで定番に。)
カニカマもどきは、パサパサの食感と変な味を誤魔化すために、酒(白ワインで代用)と酢と砂糖と醤油と出汁で煮ます。あまり黒くなりすぎないように、醤油は少なめで。
ちなみに、出汁だけは、首都ソフィアの日本食食材店でしか手に入りません。(重くないので、日本から持ってくるのが一番お手軽です)

あとは普通に、早起きして、米炊いて、食材を準備して、酢飯にして、巻く!
ちなみに、すし酢は、大型ディスカウントショップ「メトロ」で手に入りますが、このお店、大きい街の郊外とかにしかないので(引っ越した先の町にはなかったので)、今回はりんご酢からの手作りすし酢で。
今回は、新しいキッチンで慣れないせいもあって、煮る系の仕上がりがあれ?ってなったり、米を炊くのにドキドキしたりしましたが、ぐるっとみんな一緒に巻いてしまえば、いろいろ相殺されて美味しくなるのが、太巻き寿司のいいところ。
ちなみに巻く作業も、今回は巻き簾をちゃんと使いましたが、
去年、一人暮らしになりたての頃は巻き簾がなかったので、オーブンペーパーとかで代用してました。
なんとかなるもんですね。

今回は、一番大きい鍋で5合のお米を炊いて、9本の巻きずしができました。
ちなみに、今回使った鍋は、合う蓋がないので(いろいろ探したけど売っていない)、大きめのお皿で蓋も代用。
でも、ちょっとお高めのお米を使ったおかげか、美味しく炊けました!

そして、美味しくできました。

現在、周りに日本人がいないので、ノビノビと日本食を作れますが、
この度たくさんの友人に、「人生で初めて寿司を食べた」と言われて、
なんて責任重大だったんだ!と後になって気づきました。
でも、みんな気に入ってくれたようで一安心。
そして、必ず聞かれるのは、「生魚入ってないよね」!
「魚は缶詰のツナしか入ってないよー」と言うと、皆さん安心します。

なんだか代用ばっかりだけど、でも、ちゃんと寿司です!たぶん。